名前の由来

 新年度が始まり2週間以上たちました。たまプラーザから当相談室までの間は桜並木になっていますが、花の柔らかな桜色から新緑のみずみずしい緑になって相変わらず目を楽しませてくれています。青葉区そして美しが丘という地名にふさわしい季節が続いていますね。

 ところで、当相談室の住所と名称を書いていくと、青葉、美しが丘、しらかば、と実に心地よい単語が並んでいるなあと感じます。う~ん、よい屋号(商号)をつけたものだ、と自画自賛。しかし、しらかばの木は北海道や長野県のイメージではないでしょうか。なぜに横浜市でしらかば?

 

 開業するにあたって、相談室名つまり屋号(商号)をなんとつけようか、とても迷いました。迷いながらいろんな相談室や事務所、クリニック、お店、会社を参考にしていくと、どうも3パターンあると思われました。それは①地名・駅名をつける、②自分の名前をつける、③コンセプトをつける、です。①は場所がイメージしやすくわかりやすいので多いですね。例としては私が以前いた青山心理臨床教育センターや私の師匠のやっている成城カウンセリングオフィスなどです。近隣のクリニックですと美しが丘メンタルクリニックが地名ですね。②は、開業者、代表者の名字をそのままつけるパターン。弁護士事務所や会計事務所などは多い気がします。これまた師匠のやっている大住心理相談室は先生の名字をつけています。大企業でもトヨタやホンダは②のパターンですね。当相談室でもいくつか家具を購入したニトリもそうです。③はその企業やお店が大切にしている雰囲気や目標を比ゆ的に表したものでしょうか。近隣のクリニックではもりの緑メンタルクリニックや花と緑のこころのクリニックなどがあります。このブログを書いているデスクの無印良品も③パターンです。

 

 さて、この3パターンから、自分自身はどうするか…迷いに迷って最終的な答えは③コンセプトパターンにしました。開業したら相談室内にしらかばの木のオブジェを置くことにあこがれていて計画していたのですが、それを屋号にしようとはしばらく思いつかなかったんですね。ふと、あ、しらかばのオブジェ置くならそれを屋号にしちゃえばいいじゃん!とひらめいたときは、なんだかすごくすっきりしました。

 

 そもそもなんでしらかばの木を置きたかったか、ですが、私がしらかばの木が好きだからです。とくにひねりはありませんね。しらかばって木なのに黒や焦げ茶色でなくて、白いというのが、とてもさわやかに感じられます。同時に神秘的というか、木なのに軽いというか蒸気や空気、風みたいなイメージもありませんか?大地にしっかり根をはっていて、普通の風や地震では倒れたりしない。頼りがいもある。でも重くない、というイメージ。固く強いのに柔軟ですっきりさわやかな感じ…どうも言葉で表現しにくいですねえ。しらかばの生えている信州の高原や北海道、北欧も、その大地もまとめてそんなイメージです。しらかばの森や林を歩いていると、明るすぎず暗すぎずほどよく心地よい感じがするのです。歳をとって引退したら、どこに住みたいかと考えると、しらかばの森に住みたいと空想しています。実際にはしらかばのある場所は冬極寒でしょうから寒がりな私には無理ですが…。(ちなみにフィンランドの国の木はしらかばだそうです。ホームページの写真は以前行ったフィンランドの農場周辺です。)

 

 

 と、ここまで考えて、どうも私にとってしらかばはサトル・ボディなんじゃないかと思えてきました。サトル・ボディとは、物質と精神の中間的なもので、そのどちらでもないもの、こころのようでいて身体のよう、その中間でいてそのどちらでもないもの…これもなかなかずばり言葉にならないものですね。ユング心理学では重要な概念です。セラピーの場やクライエントさんの生活上でサトル・ボディが出現することやサトル・ボディの体験をすることが癒しには大切とされています。というわけで、次はサトル・ボディについて書きたいと思います。サトル・ボディについてはユング自身はもちろんユング派の老松克博先生はじめ様々な先生が書かれているので、私自身は箱庭と武道にからめて考察したことを書いてみたいと思っています。